リアルタイムで聴いた90年代、2000年代、この年代であれば、自分の視点でチョイスできるのではないかと勝手に思い、「私的洋楽ロック名盤」を100枚選んでみたいと思います。
毎回、世間一般的に知られているメジャーなアーティストと、いわゆるオルタナ、インディー系などいわゆるメジャーとは一線を画するジャンルからと、各1枚ずつご紹介していきたいと思います。原則1アーティストにつき1枚(気分で差し替えてしまうかもしれませんが)とし、順不動で思いつくまま、現代の耳で聴いてもまさに名盤といえるものを私的に選んでいきます。
089:Republic / ニュー・オーダー
今回ご紹介するのは、ポストパンクの代表的なバンドで知られるジョイ・ディヴィジョンを前身とするマンチェスターにて結成されたテクノ/エレクトロ・ロック・バンド、ニュー・オーダー(New Order)の『Republic』です。
- 『Republic〔1993〕』
以前、ハッピー・マンデーズでご紹介したファクトリー・レコードが崩壊した後にロンドン・レコードからリリースされた6枚目のアルバムです。制作の段階からバーナード・サムナーと他の3人が対立し、解散直前までいったといういわくつきのアルバムで、バーナード・サムナーがほとんどひとりで苦しみながら作り、なんとかリリースにはこぎつけたものの、次作の『Get Ready』までは、8年の時間を要しました。
サウンド的にはテクノとロックが融合したデジタルビートが心地よい「Spooky」や、なんといってもキャッチーな1曲目「Regret」が最高です。少し時代がかった感じが今、逆に新鮮に聞こえたりもするのではないでしょうか。
090:Universal Joint / フリーホィール
そして一方は、スウェディッシュ・ポップバンド、フリーホイール(Freewheel)が生んだ超名盤『Universal Joint』です。
- 『Universal Joint〔1997〕』
フリーホイールは、タンバリン・スタジオの知性でメロディメーカーのウルフ・トレッソンとスウェーデンを代表する名プロデューサー、トーレ・ヨハンソンがタッグを組んだバンドです。トーレはカーディガンズやクラウドベリー・ジャム、フランツ・フェルディナンドをはじめ、日本のアーティストとも交流があり、ボニー・ピンクや原田知世などのプロデュースも手がけています。
アルバムの内容の方はスウェーデンのビートルズともいえるような、創造性に富んだポップでグッドメロディがぎっしりつまった見事な楽曲揃いです。捨て曲はまったくありませんし、やりたいことをやりきったかと思えるような、心弾む曲からグッとくるバラードまで、見事としか言いようのない、傑作です。
ぜひ、聴いてみてください。次回も次なる「名盤」、チェックしてみてください。
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