読んでいる本。
「学びを結果に変えるアウトプット大全」樺沢紫苑
「忘れられた巨人」読了
やっと読み終わりました。謎だった部分がきれいに回収され、ほぼすっきりと読み終わりました。
そして、何より、自分が読んでいて、もやもやしていた部分は、訳者、土屋政雄さんのあとがきと、江南亜美子さんのパーフェクトな解説によって、ほぼ解消されました。というより、最初にこれを読んでいれば、もっと理解しながら読めたのかもしれないし、読まなかったからこそ謎めいた感じで読みすすめられとも言えるし。これはどちらが正解だったかはわかりません。(自分が今まで書いている部分にも相当誤読があると思われますが)
この「忘れられた巨人」は、民族問題でゆれたイギリスのEU離脱の国民投票の前年の2015年に単行本として出版されていました(自分は文庫本で読みました)。訳者あとがきによると、イシグロさんはこの結果に相当怒っていたようですが、時系列を知らずに読むと、この結果を受けて書いたのではないかと思うほど、それを否定するようなメタファーのように感じてしまいます。もちろんずっとイギリスがそのような混乱状態が続いていたということが書かせた背景にもあったのではないか、とは思いますが。
いずれにしろ、作品の良し悪しは読む人それぞれが感じることだと思いますが、最初に悪と思っていたものや記憶が失われていたことが不幸だとなんとなく思わされていたものの価値観がひっくり返る感じ、これはなかなか考えさせられるものがあります。