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【読書の日記】39日目: 平野 啓一郎『ある男』読了

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「ある男」 平野 啓一郎

 
「ある男」読了。

なくなった男は何物だったのか、そして本物の谷口大佑はどこにいるのか。城戸の探偵ごっこのような調査により、彼らの正体はあきらかになっていく。

城戸の出自もあわせたアイデンティティや、昨今何かと話題になっている思い込みによる差別意識というものを強く考えさせる作品でした。最初は謎が謎を呼ぶかのように、辿れば辿るほど、素性がわからず、そこからだんだん明らかになっていく感じは、まさにミステリー小説を読むかのような読後感でした。

実際に止むに止まれず、こういう人生を歩む人がどれくらいいるのかもちろんわからないけど、確かにその人物を違うと証明する人が現れない限り、その人が本人であるかどうかなんて、なかなかわからないことだろう。もし自分が別の人間として人生をやり直すことになったとしたなら(それが犯罪ということはおいておくとして)、自分を知るすべての関係をリセットしてしまうわけで、やはり孤独に耐えきれないのではないだろうか。

余談だが、この小説にはV.S.O.P.や富樫雅彦と菊池雅章、ビリー・プレストンやマイケル・シェンカー、UFOなどが小説の味付けとして頻出し、前に読んだ平野さんと小川隆夫さんとの対談本『TALKIN'』で読んだ、JAZZ好き、かつてハードロック好きだったという著者の横顔が見えて、にやりとさせられた。

 
 

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