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【私的オススメ 読書感想文】第8回:八朔の雪 みをつくし料理帖 / 高田 郁

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 以前読んで、心に残っている本についての私的な感想文です。読んだことがある方とは共感できれば、ない方は参考になるようでしたら幸いです。

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八朔の雪 みをつくし料理帖/高田 郁

時代小説ファンにはあまりにも有名で、黒木華さん主演でドラマ化もされているこの小説、でも普段は時代小説を読まない人も読まないでおくには、あまりにももったいない連作時代小説の傑作です。年は明けましたが、舞台は年末年始のお話もあったりしますので、年始に読み始めるにはぴったりの作品です。

 

 

舞台は江戸の神田明神下御台所町の蕎麦屋「つる家」。その調理場で料理の腕を振るう澪(みお)が主人公です。正直、読む前は自分も江戸時代に女子の料理人小説にどんな面白さがあるのかわからず、ずっと触手が伸びなかったのが正直なところでしたが、涙あり、怒りあり、と喜怒哀楽の物語が溢れていました。

この「みをつくし料理帖」はシリーズ全10巻で、この第1巻となる「八朔の雪」は4編から成っています。その4編すべてが起伏に富み、大坂生まれの澪がなぜ江戸で、またつる家で働くにいたったか、一巻目ということもあり、イントロダクション的な部分から、えっ、シリーズなはずなのにどうなってしまうの、というような病気や店の危機まで、ハラハラの連続です。

澪がかつて大坂で上方料理を作ってきた味は、江戸の人々にはなかなか受け入れられず、どうやったら江戸の人々の口に合う自分独自の味が作れるか悪戦苦闘しながら作り出していく様や、やがて評判になっていく澪の料理に妬みをもって嫌がらせを受けたりと、まるで池井戸潤の小説に出てくるライバル企業のようで、まさに現代のお仕事小説さながら。さらには大坂で生き別れた親友の存在やいつも陰ながら助けてくれる男の正体など先が気になる要素も満載。文体も現代の小説を読む感じと変わらない読みやすさで、内容はまったく違えど、村上もとかの傑作『JIN-仁』にも通じる面白さがあります。

巻末には各話で澪が作った絶品レシピが掲載されていて、実際にその味を楽しむことができるのもこの作品の魅力のひとつ。

 

 

気になった方は、ぜひ。

 

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