【うちの子に読ませたい 私的名著】11冊目:サピエンス全史 / ユヴァル・ノア・ハラリ

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自分にとっての名著とは

自分にとっての名著とは、意識を変えてくれる原動力となるもの、将来後悔しないように気づきを与えてくれるものと考えています。

例えば、よく目にするのが「学生の時に読んでおけばよかった」などという後悔の言葉。本当によくわかりますし、苦手意識のあるものも何らかの方法で改善しなければそのまま苦手なまま過ごしてしまいます。

もちろんそれを受け入れるかどうかは子供次第で、ないよりはあった方がいいというレベルの話ではありますが、そんな気づきや苦手意識などを本で多少でも克服できるきっかけになればと個人的に思い、自分の子に勧める気持ちで私的名著をご紹介したいと思います。 

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11冊目:サピエンス全史 / ユヴァル・ノア・ハラリ

 

 

学生時代、世界史や日本史はあまり好きではありませんでした。理由は暗記が苦手だということと、断面的に事柄を想像することができず、つながりを理解することできなかったからです。

そんな世界史でまっさきにとりあげられる部分、文明はどうやって起こり、人類はどのように生まれたか。正直まったく実感がわきませんでしたし、面白さがまったく感じられなかった記憶があります。

自分も大人になり、暗記から解放され、日本史や世界史にまつわる様々な面を掘り下げた本を趣味で読むようになると、これが本当に面白く読めるようになりました。

それはさておき、この「サピエンス全史」ですが、周回遅れで時期を逸した今更感はかなりありますが、最近読んで、本当に知識欲を全開にくすぐられました。正直、この本の面白さは、自分の力量不足もありますが、あらすじを書いたりして伝わる ようなものだとは、到底思えませんし、人類と文明の道のりが多岐にわたって展開します。

最初に前知識もなく読むまでは、古代の人類の謎でも書いた本なのかと思っていましたが、読み始めてそんなものではないことはすぐにわかります。ホモ(人)属のサピエンス(賢い)という生き物、つまり今生きているすべての人間の歩みとこれからについて書かれた本です。

大きくわけて、第1部「認知革命」、第2部「農業革命」、第3部「人類の統一」、第4部「科学革命」と4部に分かれています。

第1部「認知革命」

ホモ(ヒト)種には我々サピエンス以外にネアンデルタール人など、10年前の地球に6つの異なるヒトの種が暮らしていた。一般的にはそれら種が進化していったと考えられていたが、それは誤りで、それぞれが別のヒトの種であったということ。

そして、なぜサピエンスだけが生き残り、他が淘汰されたのかといえば、サピエンスだけが虚構(噂話を話したり)をつくりだすことができたから。それが7万年前から3万年前にかけて見られた新しい思考と意思疎通の方法が「認知革命」だという。その虚構のおかげで、宗教や国民主義のような集団で協力できる仕組みを生み出すことができ、その協力することによって食物連鎖の頂点にもたつことができた。

第2部「農業革命」

狩猟生活を捨て、農耕への移行、いわゆる農業革命は、人類にとって大躍進と考えられていた。でもそれは本当に人類にとって幸福だったのか。土地にしばられるようになり、栄養の偏り、ヘルニアや関節炎など多くの疾患をかかえることになった。

また、農耕民となることによって未来に関する懸念が生まれた。狩猟採集民のままでいれば、その日のことだけを考えて生きていくことができたが、未来を考えなければ生きていくことができなくなった。

物々交換などの協力ネットワークが必要となり、それによって書記体系やヒエラルキー、差別なども生まれた。

第3部「人類の統一」

農業革命以降、神話と虚構のおかげで、人工的なネットワーク(文化)が生まれていく。物々交換では限界をむかえて、最強の征服者ともいえる貨幣が誕生する。それによってグローバル経済が実現するが、その反面信頼を貨幣に依存せざるをえない危険も生まれた。

グローバル化が進んでいく中で帝国が世の中をまとめていくようになり、宗教が超人間的な秩序を生み出していく。

第4部「科学革命」

人間は1500年以降の過去500年で驚くほど発展を見せた。それは無知を認めることによって、科学研究に投資をするようになっていったからだ。

それは、帝国や政府、企業、財団などの思惑によって驚異的な成果を挙げてきたが、逆に言うと、それらは政治的、経済的、宗教的目標を達成するのに役立つと誰かが考えているからこそ、資金を提供してもらえる。

なぜ、ヨーロッパにおいてなぜ近代科学が発展し、ヨーロッパの諸帝国がグローバルを支配するにいたったのか。さらには資本主義の功罪、人生の意義、幸福、さらにはサピエンスのゆくすえが描かれる。

 

このあらすじを読んで、なんかつまらなそうと思った方には申し訳ありません。こんな短く要約できるような内容でもありませんし、もちろんここで紹介できることはほんの触りで、このような内容が比喩やたとえなどをまじえ、もちろんご紹介していない事柄も含め、各部4〜5章にわたって語れています。

これだけは言えるのは、本書の中でも随所で語られていますが、本当のところは諸説ありますし、真実はわからないことだらけです。世界史の教科書に書かれていることが絶対正しいといいきれるわけでもありませんし、この本が正しいとも言い切れるわけでもありませんが、この本に書かれている内容には説得力がありますし、真実味も感じられますし。

この本を読んで世界史や人類史に止まらず、経済や考古学、宗教学や科学などさまざまな興味への入り口となりました。今後もいろいろな類書は出てくると思いますが、この本が読みやすさも含め、ひとつの考え方の基準になると思います。

 というわけで、うちの子にいつかこの本を勧めてみたいと思います。

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