この企画では、2019年にリリースされた私的に気になるアルバムを紹介していきたいと思います。
Ripples / イアン・ブラウン
イアン・ブラウンが10年ぶりにソロ・アルバムをリリース。それは、嬉しくはあるものの、どちらかといえば、ザ・ストーン・ローゼズの活動が後ろ向きであることを予感させるものでもあり、とても複雑な感じもします。
今年はローゼズのファーストがリリースされてから30周年という節目の年でもあり、すっかり白髪頭になってしまい、やんちゃだったイアン・ブラウンも今年で御年56歳。ストーン・ローゼズのヴォーカルとしてだけでなく、解散後もソロでコンスタントに作品をリリースし続けてくれていました。
今作は肩肘をはらない、いい意味でリラックスして聴けるものでした。
オープニング曲からプライマルスクリームの「Moving on up」やストーンズの「悪魔を憐れむ歌」を思わせるような軽く祝祭感につつまれるアウトロが印象的な曲で始まり、レゲエのカヴァー2曲のうち、バリントン・レヴィの「ブラック・ローゼズ」は原曲をとどめないほどロック調となり、マイキー・ドレッドの「ブレイク・ダウン・ザ・ウォールズ(ウォーム・アップ・ジャム)」は力の抜けたイアン節となっていて面白いです。
その他にもアコースティック調なバラードやグルーヴィでダンサブルな楽曲など、イアンらしさを堪能できるバラエティに富んだ内容となっています。
私的に最もお気に入りの1曲は「フロム・カオス・トゥ・ハーモニー」で、まるでT.Rexを思わせるように、ワウワウ・ギターにのせて、情感たっぷりに歌い、途中からテンポがあがっていく感じが最高です。
ローゼズの新作が出ることを祈願しつつ、このアルバムを楽しんで待つしかありません。
収録曲
01.ファースト・ワールド・プロブレムズ
02.ブラック・ローゼズ
03.ブリーズ・アンド・ブリーズ・イージー(ザ・エヴァーネス・オブ・ナウ)
04.ザ・ドリーム・アンド・ザ・ドリーマー
05.フロム・カオス・トゥ・ハーモニー
06.イッツ・レイニング・ダイヤモンズ
07.リップルズ
08.ブルー・スカイ・デイ
09.ソウル・サティスファクション
10.ブレイク・ダウン・ザ・ウォールズ(ウォーム・アップ・ジャム)
ぜひ、チェックしてみてください。