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【私的オススメ ミステリー小説】サクリファイス / 近藤 史恵

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サクリファイス

第5回(2008年)本屋大賞を受賞したのは伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』でしたが、その時惜しくも2位だったのが、本作、近藤 史恵さんの『サクリファイス』です。

読まれた方も多いと思いますが、テーマがプロの自転車ロードレースということもあり、あまり知らない世界だったので、今まで読まずにきてしまいましたが、今まで読まなかったことを後悔するほどの面白さでした。

この作品、読むまでは感動の青春ものだとばかり思っていましたが、なんとまさかのミステリー。知らなかったロードレースの魅力にも引きずり込まれました。

(ミステリーですので、あらすじは軽くふれますが、ネタバレは注意して書きます)

 

 

一般的に自転車ロードレースとして有名なのはツール・ド・フランスですが、この小説は日本チームのお話で、最初の舞台は国内のツール・ド・ジャポンです。

ロードレースは一見すると個人スポーツだと思ってしまいますが(自分はそう思っていました)、実は団体競技。エースを優勝させるために、アシストという役割に徹して走る人と協力のもと、チームの戦術を持って戦います。

賞金は分配されるようですが、当然勝者として記録に残るのはたったひとり、エースの名前だけ。だからエースはアシストの犠牲のおかげで活躍することもできるし、その犠牲に人一倍責任を感じて走ります。

そんなアシストをつとめる選手でも、自分に自信のあるような人やレース中に勝てるチャンスがめぐってきたりすると、そのアシストに甘んじていることに対する葛藤のようなものも出てきます。しかも、才能を見込まれ、誰しもが憧れるヨーロッパの舞台で活躍できる海外のチームから声がかかりそうであれば、なおさらその誘惑は大きくなります。

この小説は、そんな“自分が勝つために走るのではない”アシストというシステムに惹かれて自転車競技を始めた主人公、白石誓と過去に黒い噂のあるベテランエース・石尾との関係を軸にレースを通して、いろいろな葛藤や疑惑に迫っていきます。

文庫本にして、300ページに満たないのですが、読み終わった時にはまったく知らなかった自転車ロードレースのことが、だいぶ理解できて魅了され、読み始めにはまったく想像していなかったコンパクトながら大どんでん返しを含む極上のミステリーとして仕上がっているのですから、恐れ入りました。

ちなみに他にも自転車ロードレースを題材にした続編や、外伝などもあるので、追いかけたいと思います。 

サクリファイスシリーズ

 

気になった方は、ぜひ。

 

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