ブック、ロックときどきカレー

読書とロックとカレーをこよなく愛する「ブックロックカリー」です。カレーは毎日食べても飽きないくらい。日々の読書とオススメの音楽などをお届けします。読者登録もお気軽にお願いします。

【私的オススメ ミステリー小説】22年目の告白-私が殺人犯です- / 浜口 倫太郎

f:id:bookrockcurry:20190416104725p:plain

 

 スポンサーリンク

 

『22年目の告白-私が殺人犯です-』

この作品のプロットは抜群である。社会問題をしっかり提起しつつも、最高のエンタメ作品に仕上がっている。登場人物から一つ一つの行動や出来事にいたるまで、すべてに意味があり、それが泣けるラストまでの伏線として紐づけられている。

原案は韓国映画「殺人の告白」で、そのリメイク映画を小説化したもので、藤原竜也さん主演でかなり話題になりましたが、映画は観ていないので単純な小説だけの感想です。

あらすじはまさにタイトルが物語るように、時効をむかえたかつて殺人を犯した犯人が、殺人の告白本を出版するという内容。その殺人犯が、絶世の美男子であることから、殺人犯であるにもかかわらず、世間は熱狂し大ベストセラーとなり、どんどんその挑発はエスカレートしていく、という内容で、あまりストーリー語ってしまうと面白さが半減してしまうので、この辺にしておきます。

売れるものであれば、なんでも出版するというこの作品の中の出版社の姿勢が、昨今世間を騒がせているあの出版社を想起させますし、元少年Aが書いた『絶歌』のような本も実際世間を賑わせましたが、フィクションでありながら、メディアの加熱の仕方などがまさに現代のパロディともいえる描かれ方で、それがあまりに芯を喰っているので、笑うに笑えません。

このしっかりストーリーを盛り込んだ内容で、文庫本にして300ページちょっとというところから、あっさりした印象は否めませんが、逆にいうとこの内容をよくこれほど無駄なくコンパクトにまとめたなという感想が勝りました。

この小説の中にはサイドストーリーともいえる部分で、いい本を世に送り出したいという編集者の想いや、いい本を売りたいという書店員の気持ちなどが、多少ステレオタイプな感じではありますがうまく描かれていて、その辺もストーリーの起伏に一役買っていて、読みどころのひとつだと思います。

ストーリーのタイプとしては、宮部みゆきさんの『模倣犯』を想起させますが、そのライト版ともいえる感じで、サクサク読めて、ハッとさせられ、感動までさせられるというエンタメ度がかなり高い作品です。

 

 

 

スポンサーリンク