【乱読日記】暗号を読み解くように読書する。

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ミステリーを読み進めるとき、このセリフはひっかかるなと思ったり、この部分はなにやら匂うなと思ったり、作者が張り巡らせた伏線に気付けるかどうかが、読む醍醐味であることは言うまでもないことですが。

その伏線がまさに暗号をとく鍵のようなものだと思いますが、前回の『未必のマクベス』を読んでいて興味を持ったのが、その暗号を文字通り取り扱っているのが主人公の会社。主人公がICカードの暗号化方式を売っていた時、そのシステムの内容は営業職には伏せられているという部分です。得意先には「最新の暗号化です」と説明するものの、自分はその中身は知らない。確かに業務上の秘密は、まず身内にも知らせないということなんだなと、暗号に関して調べてみたくなりました。

そこで以前から気になりつつも、読めずにいたサイエンスジャーナリスト、サイモン・シンの『暗号解読』を読み始めました。サイモン・シンの書く本は難しい内容がものすごくわかりやすく書かれていて、どれも興味をひきつけられるのですが、この『暗号解読』もまた、冒頭の「はじめに」からすでにワクワクします。

暗号が生まれたのは、何千年も昔。王や女王や将軍たちが、国を治め、軍を動かすために敵に秘密を守りながら効率的な通信手段をもつことが不可欠。暗号の歴史は、その暗号作成者と暗号解読者との何世紀にもわたる戦いの歴史でもあった。

暗号の発展史は、まさに“進化”という言葉があてはまる。一度暴かれた暗号はもはや役に立たず、その暗号は絶滅するか、より強力な暗号へと進化する。進化した暗号はしばらくのあいだ生き延び、またその弱点を突き止められる。そのありさまは、まさに細菌によく似ているのだ。次々と繰り出される新しい抗生物質に打ち勝って生き延びるためには、細菌はたえず進化しなければならない。

暗号研究は秘密のヴェールに覆われている。この本の登場人物の多くは、存命中は世間の認知を受けることがなかった。なぜなら彼らの業績は、外交上、軍事上の価値ゆえに機密扱いされていたからだ。つまり、この本に書かれていることは暗号としては過去のものになったもので、今現在、最先端の暗号の成果や研究内容は当然知ることができない。

暗号作成者は絶対に解読されない暗号を作ることはできるのだろうか?それとも暗号解読者がどんな暗号でも解読できる機械を作り上げるのだろうか?

と、ざっくりと「はじめに」を部分的にまとめただけですが、この本は上下巻で、前半は暗号の進化とそれが歴史に及ぼした影響について、後半は現代においての暗号の価値について述べられていきます。

まだまだ、前半の方を読んだ程度ですが、はじめは隠す暗号からはじまり、徐々に転置式、換字式暗号へとどんどん変わって複雑になっていき、暗号の仕組みを見ていくだけで、まさにミステリーの解答を得るような興奮があります。 

普段パスワードなど何気なく設定していますが、これを解読しようとしている人がいるかと思うとちょっと不用意なパスワードを避けようと思ってしまうのは僕だけでしょうか。

 

 

 

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