【乱読日記】タイムリープものというだけで、テンションがあがります。-リピート / 乾 くるみ -

f:id:bookrockcurry:20190801134032j:plain




以前、東野圭吾さんの『パラレルワールド・ラブストーリー』のことを書いた記事で、〈僕はタイムスリップもので、過去にもどって競馬で当ててお金を手に入れるというようなエピソードがあると思っていたのですが、そんなストーリーとはまったく違っていた〉ということを書きました。

 

それに対して、ありがたいことにSNSの読み友さんから、それはきっと乾くるみさんの『リピート』でしょう、と教えていただきました。

 

正直、家に積ん読していたものの、読んだかどうか記憶がさだかではなかったため、読んでみました。

 

結論から言うと、『リピート』は読んだことがありませんでした。

 

そして、その後調べたところ、僕の記憶が混在して勘違いしていた小説は佐藤正午さんの『Y』でした。

 

ただし、『Y』の方ではタイムスリップはするもののお金を手に入れるのは競馬ではなく、別の手段でしたので、そこも違っていたわけですが。。

 

リピート / 乾 くるみ

 

乾くるみさんといえば、なんといっても『イニシエーション・ラブ』を外せません。

 

ネタバレは口がさけてもいえない驚愕のラストで、大技を披露してくれる大傑作ですが、こちらの『リピート』もそれに引けを取らないほど、手の込んだ作品となっています。

 

ドラマ化もされているので、読まれた方や観た方も多いかと思いますが、読んでみて謎が謎を呼ぶ、最後まで先が読めない作品でした。

 

 

 スポンサーリンク

 

 

あらすじ

突然、かかってきた見知らぬ電話。

 

いついつ地震が起きると予言する奇妙な内容で、実際にその予言通りの地震が起こった。

 

その電話をかけてきた相手が誘う謎の提案、それは一緒にタイムリープしようという誘いだった。

 

半信半疑のまま、誘われたのは一人ではなく、合わせて9人。

 

ただのいたずらなのか。本当にタイムリープできるのか?

 

感想

前半は、タイムリープに関してあらゆる可能性や仮説が語られて、あんなことしてみたい、できたらいいな、という感じで実際ストーリーが本格的に動きだすまで、200ページ近くかかります。

 

この小説は、タイムリープものの走りとも言えるケン・グリムウッドの『リプレイ』の影響を強く感じられますが、実際そのことは、その前半であえて触れられています。

 

また、後半にかけては死者が次々出るというミステリー小説さながらの展開で、そちらもアガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』を彷彿とさせますが、そのことも本編で触れていて、まさに確信犯なところがなんとも面白いです。

 

タイムリープのことを考えると、あまりに複雑すぎて頭がこんがらがりますが、誰もが一度は考えて憧れる、過去に行ってやり直したいという願望。

 

それは、これを読んでその思いを強くするのか、それとも現実的に起こったら絶望するのか、そのことに思いを馳せてみるのも悪くないと思います。

 

SFとしてもミステリーとしても、よく練られた極上の一冊といえるでしょう。

 

 

結び

それにしても、なぜストーリーのまったく違う『パラレルワールド・ラブストーリー』と『Y』が混同したのか?

 

それはどちらも男友達2人と一人の女性をめぐるストーリーという類似点があったからだと思います。

 

そして、片方は記憶、片方はタイムスリップという違いはあるもののどちらにも別々のパラレルの人生が描かれていた点もあり、それを同じ時期に読んだため混同してしまったのだと思います。

 

そんなわけで、『Y』も大好きな作品です。

 

タイムリープものって本当に面白いです。

スポンサーリンク