ブック、ロックときどきカレー

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【僕は乱読派。】恋愛ものと病気ものの抱き合わせにはめっぽう弱い。- 平場の月 / 朝倉 かすみ -

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2019年上半期の直木賞ノミネート作で6人全員が女性というのは、史上初めてということで話題となりましたが、その候補の一作が、朝倉 かすみさんの『平場の月』 です。

 

第32回山本周五郎賞も受賞している評判の作品で、50代の切ない恋愛が描かれています。

 

朝倉 かすみさんといえば、代表作に同窓会を描いた『田村はまだか』があり、第30回(2009年) 吉川英治文学新人賞を受賞しています。

 

平場の月 / 朝倉 かすみ

 

 

50代は遠い未来だと思っていた若い頃と、その年代が近づいてきたからわかる50代とのあまりの変わりなさ。

 

ただ、それでも変わってくるのは、老いと病いなどの心配。

 

これだけは、いかんともしがたい現実としてのしかかってくることを、痛感している今日このごろですが、そんな気持ちを重ね合わせながら読みました。

 

 

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あらすじ

身体の不調から検査のため、病院を訪れた50歳の主人公。

 

ふと売店に立ち寄ると、そこで働いていたのが、主人公が中学生時代に告白してフラれた同級生の女性だった。

 

お互い波乱万丈があり、それぞれ独身だったことから、それをきっかけに二人で飲みにいくような仲になっていく。

 

そして実はその女性も体調に不安があり、検査を受けていた。

 

お互いの検査の結果は?そして、二人の関係はどうなっていくのか?

 

感想

冒頭、ネタバレのように、読み始めてすぐに結末が提示されますので、ああ、これはその結末にいたるまでの過程をたどるストーリーなんだと思い、読み始めました。

 

青春時代の淡い恋心はいくつになっても特別なものだったりしますし、それがお互い独身で再会してしまったら、それは心を動かされてしまうのは想像にかたくありません。(もちろん、そんなことないという人もいるでしょうが)

 

50代の恋愛模様は、若さだけで突き進むような情熱的なものとは違い、残りの人生を見据えざるをえないため、どこかその人の人生までを背負う覚悟のようなものや、それを背負わせていいのかという葛藤のようなものがあるので、恋愛には慎重になるのでしょう。

 

さらに病気の心配も絡んできてしまうのですから、それは読んでいてけっこう重苦しく、すっきりしない感はつきまといます。

 

お互いが抱える孤独や相手を思いやる気持ちを考えると胸がしめつけられるものがありました。

 

結び

おそらく、直木賞の本命の一作だと思います。

 

私的には原田マハさんの『美しき愚かものたちのタブロー』もかなり気になっていますので、ぜひ読もうと思っているところですが。

 

ぜひ、胸にしみる大人の恋愛を堪能してみてください。

 

2019年上半期 直木賞ノミネート作品

発表は、7月17日(水)です。結果が楽しみです。

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