【私的 新潮文庫の100冊 / 002】《考える本》弱くても勝てます:開成高校野球部のセオリー / 高橋 秀実

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大好きな文庫のひとつ、新潮文庫

 

キュンタのイラストでおなじみですが、定番のものから新たに選ばれるものまで、毎年100冊選書されています。

 

そこで、本家とかぶるものはもちろんありますが、自分の中のオールタイム「新潮文庫の100冊」を選んでいきたいと思います。

 

カテゴリーもならって〈恋する本〉〈シビレル本〉〈考える本〉〈ヤバイ本〉〈泣ける本〉に振り分けていきます。

 

 

《考える本》弱くても勝てます:開成高校野球部のセオリー / 高橋 秀実

 

 

 

 

令話初の甲子園も幕を閉じ、ひと段落しました。それにちなんでというわけでもありませんが、以前ドラマ化もされベストセラーになった本作をご紹介します。

 

あらすじ

 

甲子園も夢じゃない!?  平成17年夏、東大合格者数日本一で有名な開成高校の野球部が、東東京予選ベスト16に勝ち進んだ。 グラウンドでの練習は週1日、エラーでも空振りでもかまわない、勝負にこだわりドサクサに紛れて勝つ……。 監督の独創的なセオリーと、下手を自覚しながら生真面目に野球に取り組む選手たちの日々。 思わず爆笑、読んで納得の傑作ノンフィクション!

 

 

感想

 

この本の面白さは、常識を疑うということだと思います。

 

子供の時から野球でもなんでもいいのですが、それらに本気で取り組んできた人には、練習方法にしろ、マスターしなければいけないことにしろ、こうあるべきというものがそれぞれあると思います。

 

その概念がことごとく揺さぶられ、目から鱗が落ちまくります。

 

つまり、下手は下手なりに、どうやって勝つか、という方法を考え、それを実践しているのですが、その考え方が論理的かつ合理的なのです。

 

それを端的にあらわしているのが、監督が示したチームにとってのプライドを表現した部分にあります。

 

「俺たちは必要十分な練習を徹底的に追求する。これが俺たちのプライドだ」

つまり、このチームは本当に必要な練習しかしない。例えば、ダブルプレイは必要以上だからとらなくてもよい。自分の守備範囲を無理なくさばいてアウトにすることが必要十分なこと。ピッチャーはストライクをとることが必要十分。そして打者は打球を遠くに飛ばすということが必要十分。ベンチで声を合わせたり、ウォーミングアップを号令をかけて全員揃ってやるのは必要以上のこと。ヨソのチームはムダな練習をしてくれていると考えて、このチームは必要と思われる練習を徹底的にする。必要十分な練習の量と質に徹底的にこだわる、というのである。

 

もちろん、なんでも上手にできることは理想だと思いますが、このような考え方にたてば、誰でもプレイしていいんだという気にさせられます。

 

ただし、このやり方で勝つにはバッティングで必要以上に力を発揮し、打ち勝たなければなりません。その理論は、バッターそれぞれにあったやり方で伸ばしていきますが、その各自の方法論も面白いので、ぜひ読んでみてください。

 

 

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