死ぬまで聴き続けたい 私的 90年代 洋楽ロック名盤 100選【76-100】

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リアルタイムで聴いた90年代の「洋楽ロック名盤」を自分の視点で100枚選んでみたいと思います。

世間一般的に知られているメジャーなアーティストと、いわゆるオルタナ、インディー系などをだいたい交互にご紹介していきたいと思います。

1アーティストにつき1枚とし、順不動で思いつくまま、現代の耳で聴いてもまさに名盤といえる死ぬまで聴き続けるであろうアルバムを私的に選びました。

(このブログは以前書いたものを編集してまとめたものです)

 

 

 

076:69 Love Songs / ザ・マグネティック・フィールズ


アメリカのインディー/オルタナファンからカルト的人気を誇るステファン・メリットひきいるザ・マグネティック・フィールズ(The Magnetic Fields)。

  • 『Distant Plastic Trees〔1991〕』
  • 『The Wayward Bus〔1992〕』
  • 『The Charm of the Highway Strip〔1994〕』
  • 『Holiday〔1994〕』
  • 『Get Lost〔1995〕』
  • 『69 Love Songs 〔1999〕』

バンド名からして、シュールレアリストのアンドレ・ブルトンとフィリップ・スーポーによる共著『磁場』から引用するほど、世界観にこだわりを見せていますが、選ぶのは、タイトルどおり、3枚組69曲のラブソングで構成されたコンセプト・アルバム『69 Love Songs』です。

エルヴィスばりの低音ボイス、モリッシーを感じさせる伸びやかな歌声で、生楽器とたまにピコピコした電子音をとりまぜた独特のサウンド

青春を感じるものからロマンティックな大人のムードあふれるものまで、さまざまラブソングを2、3分程度にまとめた感じで、69曲もあると玉石混交といった部分もありますが、それも含めてとても面白いアルバムだと思います。

たまに挟まれる女性ヴォーカルの曲もアクセントになっていい感じです。

 

077:Whatever and Ever Amen / ベン・フォールズ・ファイブ


アメリノースカロライナ州チャペルヒルで結成されたベン・フォールズ・ファイヴBen Folds Five)。

3人組なのにファイヴなのはスリーより響きがいいからなのだとか。

それはさておき、ベン・フォールズのピアノを中心としたギターレスバンドで、そのポップセンスは抜群。

  • Ben Folds Five〔1995〕』
  • 『Whatever and Ever Amen 〔1997〕』
  • 『Naked Baby Photos〔1998〕』

もちろん1stもかなりの名盤なのですが、選ぶのは2ndの『Whatever and Ever Amen』です。

泣きの名曲「Brick」、「Selfless, Cold and Composed」をはじめ、憂いのあるバラード調の曲が多く、その反面、日本でも大ヒットした「金をかえせ」の歌詞でおなじみのはじけた曲「Song For The Dumped」やバグルスのヒット曲「Video Killed the Radio Star」のカヴァー曲も収録されています。

まさにポップスを知り尽くした天才ベン・フォールズ、彼の後のソロアルバムも最高です。

 

078:Bubblegun / ザ・メリーメーカーズ


90年代にキラ星のごとくあらわれたスウェーデンパワーポップ・バンドの中でも一際素晴らしかったザ・メリーメーカーズ(The Merrymakers)。

1stアルバムの帯には「ビートルズを神と、ジェリーフィッシュを父と崇めるスウェーデンの新世代ポップ・ロック・トリオ」とうたわれ、まさにそれを体現するサウンドです。

  • 『No Sleep 'til Famous〔1997〕』
  • 『Bubblegun〔1998〕』

そしてご紹介するのは、その父とあがめるジェリーフィッシュのアンディ・スターマーをドラムとプロデュースに迎えて制作された2ndアルバム『bubblegun』です。

ジェリーフィッシュ直系のサウンドとコーラスワークで楽曲センスは抜群。

テンションあがりまくりのパワーポップど真ん中ともいえる「Superstar」や、泣けるバラード「Monkey In The Middle」そして、立て続けの名曲「Under The Light Of The Moon」など、とにかく捨て曲のない最高のポップアルバムに仕上がっています。

バンドの中心メンバー、デヴィッド・マイアーは今でもソロで活躍していて彼のソロ・アルバムもおすすめです。

 

079:Dig Your Own Hole  / ケミカル・ブラザーズ


今でこそテクノとロックの融合は当たり前ですが、まさに当時その架け橋となったアーティストの中でもひときわ影響力が強くロックファンを虜にした、トム・ローランズとエド・サイモンズからなるイギリスのテクノ、エレクトロニック・ミュージック・ユニット、ケミカル・ブラザーズThe Chemical Brothers)。

  • 『Exit Planet Dust〔1995〕』
  • 『Dig Your Own Hole 〔1997〕』
  • 『Surrender 〔1999〕』

選ぶのは、2ndアルバム『Dig Your Own Hole』です。

ブレイクビーツを基調とし、ロックを融合したビッグ・ビートで、当時のロックファンに毛嫌いさせることなくテクノを認めさせた功績は多大です。

ビートルズの"Tomorrow Never Knows"を思わせるリズムパターンの「Setting Sun」はなんとオアシスのノエル・ギャラガーがゲストボーカルとして参加しており、それだけで、聴く価値ありです。

オープニング曲からテンションマックスでもっていかれ、最高潮に盛り上がる、大音量で聴きたいアルバムです。

もちろん、それ以外のアルバムも甲乙つけがたいほど最高です。

 

080:Change Giver / シェッド・セヴン


イギリス・ヨーク出身で、ブリットポップのブームの中でもイギリス国内ではだいぶ人気があり、私的にもその中で1、2を争うほど好きなバンド、シェッド・セブン(Shed Seven)です。

デビューがオアシスとほぼ同時ということでスケールと音楽性はやや違えど、ビートルズストーンズに例えられ比較もされました。

  • 『Change Giver〔1994〕』
  • 『A Maximum High 〔1996〕』
  • 『Let It Ride 〔1998〕』

そしてご紹介するのは正直どのアルバムも好きですが、オアシスのデビューアルバムとぜひ比較して聴いていただきたい1stアルバム『Change Giver』を選びたいと思います。

荒削りでストレートなロック・サウンドとダンサブルで時にファンキーな感じが最高にかっこよく、歌声も歌い方も、くせになります。

特に最高な曲が、胸が熱くなるロック・バラードの「Long Time Dead」、そして最高にグルーヴィな「Dolphin」。

ちょっとウィキペディアの豆知識を読んで笑えるのが、「オアシス、ブルートーンズスーパーグラス、アッシュ、ステレオフォニックス、マンサン、キャスト、ドッジーなど多くのバンドがシェッド・セヴンのオープニングアクトを務めた後、ブレイクしている。」とのこと。

どのバンドも日本では彼らより知名度が高いのがちょっと悲しいです。

2003年にいったん解散したものの、再結成しており、2017年には16年ぶりにアルバムをリリースしています。

 

081:The Return of the Space Cowboy / ジャミロクワイ


90年代といえば、このバンドも避けて通ることができません。

アシッド・ジャズの立役者、ジャミロクワイJamiroquai) です。

ジャミロクワイとはソロのように見えるかもしれませんが、Jason kay(ジェイ・ケイ)を中心としたれっきとしたバンド形態です(ただしレコード会社の契約はバンドを除外したケイのみで、契約上はソロアーティスト)。

ジャンルとしてはアシッド・ジャズですが、そのサウンドはジャズ、ファンク、ロック、ポップ、ソウル、エレクトロニカが渾然一体となった独自のグルーブを築いています。

  • 『Emergency on Planet Earth〔1993〕』
  • 『The Return of the Space Cowboy〔1994〕』
  • 『Travelling Without Moving〔1996〕』
  • 『Synkronized〔1999〕』

ジャミロクワイ といえば幸か不幸か、最大のヒット曲「Virtual Insanity」がCMで使われるなど日本でも広く浸透し、3rd『Travelling Without Moving』が爆発的に売れましたが、私的にはそれ以前の2nd『The Return of the Space Cowboy』を選びたいと思います。

スティーヴィー・ワンダーを思わせるヴォーカルスタイルと声質に、1stと3rdのいいとこどりのような感じで、1stの頃のグルーヴィな感じの良さはそのままに、メロウな楽曲とアルバムタイトルにある通り、スペーシーなサウンドも堪能できます。

ファンクネス全開の「The Kids」やメロウなキラーチューン「Space Cowboy」が特に好きな曲です。

 

082:Dummy / ポーティスヘッド


マッシブ・アタック、トリッキーとともにトリップホップの旗手として知られる、イギリス・ブリストルで結成されたポーティス・ヘッド(Portishead)。

  • 『Dummy 〔1994〕』
  • Portishead 〔1997〕』

選ぶのは、陰鬱な独自の世界観を築き上げ、今聴いても新鮮に聴こえる1st『Dummy』です。

ダブ、ヒップホップ、ジャズ、ブレイクビーツとサンプリングを多用したサウンドに、ベス・ギボンズの震えるような美しい歌声と圧倒的な表現力で、メランコリックな世界観に吸い込まれます。

印象としてはゆったりとした独特なリズムと重いビートで暗さは感じますが、そのクールさがまるで映画のサウンドトラックを聴いているかのように深く浸れます。

2ndの『Portishead』もサウンドとして延長上にあり、こちらもオススメです。

 

083:Everything Must Go / マニック・ストリート・プリーチャーズ


イギリス・ウェールズ出身のマニック・ストリート・プリーチャーズManic Street Preachers)。

90年代はオアシスと並ぶほどの人気を誇りましたが、いわゆる「解散宣言」騒動(「30曲入りの2枚組アルバムを全世界でナンバーワンにして解散する」と言った1stは、30曲入りでもなくナンバーワンにもならず解散もしない)など、数々の賛否を巻き起こしたバンドです。

  • 『Generation Terrorists〔1992〕』
  • 『Gold Against the Soul 〔1993〕』
  • 『The Holy Bible〔1994〕』
  • 『Everything Must Go〔1996〕』
  • 『This Is My Truth Tell Me Yours〔1998〕』

選ぶのは、その騒動の張本人、ギタリストのリッチー・エドワーズの失踪により、活動休止後、3人で再スタートした4枚目の『Everything Must Go』です。

このアルバムで、どちらかといえばカルト的な人気だったマニックスに商業的な成功をもたらした一枚でもあります。

ジェームスのメロデイメイカーとしての才能が開花した作品で、まさにマニックスを代表するアンセム曲満載。

「A Design for Life」を筆頭に、「Kevin Carter」、「Everything Must Go」とシンガロング必至の曲が多数収録されています。

ちなみに「Everything Must Go」はビールのCMにも使われていましたので、耳にしたことがある方も多いと思います。

 

084:Free Peace Sweet / ドッジー


ロンドン出身のギター・ポップ3ピース・バンドのドッジー(Dodgy)(現在は4人組)。

2002年には一度解散したものの、再結成して現在も活動しており、2016年にリリースしたアルバムはその輝きを失っていないばかりか、今のロック事情の中で貴重な存在とも言えます。

  • 『The Dodgy Album〔1993〕』
  • 『Homegrown 〔1995〕』
  • 『Free Peace Sweet 〔1996〕』

90年代にアルバムを3枚リリースしていますが、選ぶのは3rdアルバムの「Free Peace Sweet」です。

ヴォーカルのナイジェル・クラークの声といい、ビートルズフレイバーあふれるポップさといい、オアシスがもっとポップになったらこんな感じになるかなというサウンドで、抜群のギター・ポップアルバムです。

疾走感あふれるギターサウンドを中心に、ミディアムテンポの曲もあれば、もちろんオリジナリティあふれる「Good Enough」のような曲もあり、彼らのポップさが遺憾無く発揮されたアルバムです。

 

085:Waking Up the Neighbours / ブライアン・アダムス


90年代の主役の一人ともいえる、カナダ出身のシンガー・ソングライターブライアン・アダムスBryan Adams)。

この頃は映画でも曲が使われる等、大ヒットを飛ばしていました。

もちろん今もなお、活躍をみせています。

  • 『Waking Up the Neighbours〔1991〕』
  • 『So Far So Good〔1993〕』
  • 『18 til I Die〔1996〕』
  • 『On a Day Like Today〔1998〕』

名盤として選ぶのは映画『ロビンフッド』のテーマ曲としても使われた名曲「アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー」を含む『Waking Up the Neighbours』です。

骨太で疾走感あふれるロックンロールサウンドが中心で、ギタリストとしても派手さはないもののリフや音づくりのセンスは抜群です。

ときにブルース・スプリングスティーン、もろにデフ・レパード感満載なのはご愛嬌でしょうか(プロデューサーがデフ・レパードと同じでジョン・マット・ラング)。

オーバー・プロデュースぎみで商業ロックな感じは好き嫌いがわかれる部分は否めませんが、私的にはもちろん名盤だと思います。

全英では16週連続1位と最長連続1位としてギネスブックに登録されたアルバムです。

 

086:One Chord To Another / スローン


こちらもカナダの国民的パワー・ポップバンド、スローン(Sloan)です。

メンバー全員が曲を書き、ヴォーカルもとり、他パートの楽器も演奏できるという器用なバンドです。

  • 『Smeared 〔1992〕』
  • 『Twice Removed 〔1994〕』
  • 『One Chord To Another 〔1996〕』
  • 『Navy Blues 〔1998〕』
  • 『Between The Bridges 〔1999〕』

選ぶのは、『Navy Blues』も捨て難いですが、3rdの『One Chord To Another』です。

オープニングからパワーポップ・バンドを代表するチープトリックを思わせるようなライブ感のある演出でいきなり鷲掴みにされます。

全編にわたりビートルズの影響を強く感じさせますが(「Autobiography」や「A side Wins」等はもろそんな感じが強いですが)、抜群のコーラスワークで、バラード調の曲もあれば、トランペットやマラカスなどを取り入れたポップな曲など、幅広い楽曲センスを堪能できます。

彼らのアルバムは、ジャケットも洗練されていて秀逸です。

 

087:Moon Safari / エール


1995年にパリで結成されたニコラ・ゴダンとジャン=ブノワ・ダンケルによるバンド、エール (Air) 。

エレクトロニカとロックを融合し、おしゃれサウンドの代名詞ともいえる世界観を確立しました。

デビューアルバム『Moon Safari』は、近未来を感じさせる独特な浮遊感漂うアンビエントサウンドと、どこかフォーキーで懐かしい感じのバランスが絶妙なのが、このアルバムの魅力です。

主にインストとコーラスのみの楽曲がメインですが、その中でもアメリカのシンガー、ベス・ハーシュがヴォーカルをとる「All I Need」、「You Make It Easy」が彩りを添えています。

映画『恋のからさわぎ』のサントラでも使用された「Sexy Boy」や「Ce Mantin-La」などが特に私的な好みです。

ちなみに、フェニックスが彼らのバック・バンドをつとめるために結成されたことは余談です。

 

088:A Little More Haven Hamilton Please / ジューン&ザ・イグジット・ウーンズ


続いては90年代版ネオアコソフト・ロックの名盤、ジューン&ザ・イグジット・ウーンズ(June and the Exit Wounds)の『Little More Haven Hamilton Please』です。

  • 『Little More Haven Hamilton Please〔1999〕』

アメリカ・シカゴ出身のトッド・フレッチャーによる1人ユニットで、まさにポップを知り尽くしたそのサウンドは、ビーチ・ボーイズへのオマージュとゾンビーズなどかつてのソフトロックの影響を強く感じられます。

決して楽器が主張することはなく繊細なサウンドで、小粋なピアノや、ジャジーなギターなど、こだわりのサウンドがぎっしりつまった名曲群です。

ベルセバあたりが好きなギターポップ・ファンなら、ハマること間違いなしだと思います。

 

089:Republic / ニュー・オーダー


ストパンクの代表的なバンドで知られるジョイ・ディヴィジョンを前身とするマンチェスターにて結成されたテクノ/エレクトロ・ロック・バンド、ニュー・オーダーNew Order)。

  • 『Republic〔1993〕』

選ぶのは、ハッピー・マンデーズでご紹介したファクトリー・レコードが崩壊した後にロンドン・レコードからリリースされた6枚目のアルバム『Republic』です。

制作の段階からバーナード・サムナーと他の3人が対立し、解散直前までいったといういわくつきのアルバムで、バーナード・サムナーがほとんどひとりで苦しみながら作り、なんとかリリースにはこぎつけたものの、次作の『Get Ready』までは、8年の時間を要しました。

サウンド的にはテクノとロックが融合したデジタルビートが心地よい「Spooky」や、なんといってもキャッチーな1曲目「Regret」が最高です。

少し時代がかった感じが今、逆に新鮮に聞こえたりもするのではないでしょうか。

 

090:Universal Joint / フリーホィール


続いては、スウェディッシュ・ポップバンド、フリーホイール(Freewheel)が生んだ超名盤『Universal Joint』です。

  • 『Universal Joint〔1997〕』

フリーホイールは、タンバリン・スタジオの知性でメロディメーカーのウルフ・トレッソンとスウェーデンを代表する名プロデューサー、トーレ・ヨハンソンがタッグを組んだバンドです。

トーレはカーディガンズクラウドベリー・ジャムフランツ・フェルディナンドをはじめ、日本のアーティストとも交流があり、ボニー・ピンク原田知世などのプロデュースも手がけています。

アルバムの内容の方はスウェーデンビートルズともいえるような、創造性に富んだポップでグッドメロディがぎっしりつまった見事な楽曲揃いです。

捨て曲はまったくありませんし、やりたいことをやりきったかと思えるような、心弾む曲からグッとくるバラードまで、見事としか言いようのない、傑作です。

 

091:Balance  / ヴァン・ヘイレン


アメリカのハードロック・バンド、ヴァン・ヘイレンVan Halen)。

1978年代から活動し、「ライトハンド奏法」を広く知らしめたエディ(エドワード・ヴァン・ヘイレン)の功績はあまりに偉大です。

  • 『F@U#C%K - For Unlawful Carnal Knowledge 〔1991〕』
  • 『Balance 〔1995〕』
  • Van Halen III 〔1998〕』

90年代は2代目ヴォーカリストの元モントローズのサミー・ヘイガーが歌う『F@U#C%K - For Unlawful Carnal Knowledge』と『Balance』、3代目、元エクストリームのゲイリー・シェローンが歌う『Van Halen III』の3枚のアルバムがありますが、選ぶのはハードロックのジャンルに留まらず、一般的にもヒットした『Balance』を選びたいと思います。

なんといっても第1弾シングルとなったキャッチーな「Can't Stop Lovin' You」につきると思いますが、それ以外にも胸を打つ名バラード「Not Enough」も収録されています。

私的にはハードロック・バンドのバラードが大好きで、サミー・ヘイガーの声は本当にグッときます。

この2曲がポップな印象がある反面、それ以外の曲はハードロック・バンドらしく、ヘヴィで激しい曲もそれなりにあり、その対比があります。

エディもメロディ重視で弾きまくるという印象はあまりないものの随所に見せ場は感じられます。

ちなみに日本ではアルバム・ジャケットが自主規制により、差し替えられました。

 

092:Teenage Symphonies To God / ヴェルヴェット・クラッシュ


USインディー・ロックバンド、ヴェルヴェット・クラッシュ(Velvet Crush)。

彼らもまたオアシスやティーンエイジ・ファンクラブと同じクリエイション・レコーズからデビューしています。

  • 『 In the Presence of Greatness〔1991〕』
  • 『Teenage Symphonies To God 〔1994〕』
  • 『Heavy Changes〔1998〕』
  • 『Free Expression〔1999〕』

選ぶのは、2ndアルバム『Teenage Symphonies To God』です。

ジャケットはなんともいいようのない感じではありますが、 ティーンエイジ・ファンクラブやマシュー・スイートなどに通じる正統派ギター・ポップサウンドで、ハードなロック曲もあれば、4曲目の元バーズのジーン・クラークのカヴァー曲でカントリー調の曲などは完全に彼らのオリジナルのような仕上がりです。

ロディアスな部分に関しては他のバンドにひけをとらないまさにギター・ポップの王道のようなアルバムです。

もちろん、彼らに駄作はなく、どのアルバムも甲乙つけがたい仕上がりですし、1stではマシュースイートが共同プロデュースとして参加しています。

今聴いても青春時代に一瞬でフラッシュバックさせてくれる、色褪せない名盤です。

 

093:Dog Man Star / スウェード


イギリスのロック・バンドで、耽美的な音楽性が魅力のスウェードSuede)。

デヴィッド・ボウイザ・スミスらに影響を受けたそのサウンドは、ブリットポップ・ブームの先駆けのような存在です。

  • Suede〔1993〕』
  • 『Dog Man Star 〔1994〕』
  • 『Coming Up〔1996〕』
  • 『Head Music〔1999〕』

華のあるヴォーカルのブレッド・アンダーソンとギターのバーナード・バトラーのメロディアスなギターが初期スウェードの魅力ですが、選ぶのは2ndアルバムの『Dog Man Star』です。

印象としては暗さを感じるかもしれませんが、退廃的な雰囲気とオーケストラを導入したサウンドなど、彼ら独特の美しい世界観を強く感じることができるアルバムです。

このアルバムの完成を前にブレット・アンダーソンとの確執のため、バーナード・バトラーが脱退してしまうというせつなさもありますが。

もちろん、それ以降のアルバムも捨てがたいですし、2010年に再結成して以降のスウェードのアルバムはかなりカッコいいですが、やはりこの2人がそろっていた1st、2ndにこのバンドの魅力がつまっていると思います。

ブレット・アンダーソンとバーナード・バトラーは一時和解し、ザ・ティアーズとして一緒に活動したものの、バーナード・バトラーは今はプロデューサーとして活躍しているようです。

 

094:Frosting on the Beater / ザ・ポウジー


アメリカ・ワシントン出身のロック・バンド、ザ・ポウジーズ(The Posies)。

1986年にジョン・オウアとケン・ストリングフェロウを中心に結成されました。

  • Dear 23〔1990〕』
  • 『Frosting on the Beater 〔1993〕』
  • 『Amazing Disgrace 〔1996〕』
  • 『Success〔1998〕』

そしてご紹介するのは彼らの出世作ともいえる3rd『Frosting on the Beater』です。

キャッチーで美しいメロディに、ノイジーで憂いのあるギターサウンドというまさに、ギターポップのお手本のようなアルバムです。

その辺のギターポップバンドと違うのは、ジャム的にアドリブで弾いている曲もあり、ギター好きにも聴きどころが満載です。

プロデューサーには、ソニック・ユースティーンエイジ・ファンクラブなどを手掛けるドン・フレミングが起用されているのが、ポップさとハードさの絶妙なバランスで仕上がっている要因ではないでしょうか。

昨年、未発表音源15曲を含むリマスターアルバムがリリースされていて、かつて夢中になった方にこちらもかなりオススメです。

 

095:Automatic For The People / R.E.M.


アメリカのオルタナティブ・ロックバンド、R.E.M.

メッセージ性の高い楽曲とアート性からU.S.カレッジチャートで火がつき、惜しくも2011年に解散してしまいました。

  • 『Out Of Time〔1991〕』
  • 『Automatic For The People〔1992〕』
  • 『Monster〔1994〕』
  • 『New Adventures In Hi-Fi 〔1996〕』
  • 『Up〔1998〕』

一般的にどのアルバムも売れていますが、選ぶのは『Automatic For The People』です。

アメリカでは圧倒的な人気を誇るのに日本では人気が今ひとつな感じはありますが、ミュージシャンズ・オブ・ミュージシャンともいえる存在で、ニルヴァーナカート・コバーンが、死ぬ間際に聴いていたのがこのアルバムだと言われています。

アコースティック・サウンドを中心にしつつ、歌詞とともにどこか陰鬱なサウンドですが、それらがただ暗い感じかというとそんなことはなく、どこか希望を感じさせるマイケル・スタイプの伸びやかなヴォーカルは神々しさすら感じます。

そんなことを特に実感させる「Everybody Hurts」は必聴の名曲です。

また、映画『マン・オン・ザ・ムーン 』にインスパイアを与え、主題歌にもなった名曲「Man On The Moon」、からの「Nightswimming」も感動的です。

 

096:Illumination / ザ・パステルズ


1981年にスティーヴン・パステルを中心にグラスゴーで結成されたザ・パステルズ(The Pastels)。

ヘタウマともいえるような荒削りながら独特のセンスはアノラック・サウンドと呼ばれ、一部では絶大な支持を得ており、寡作ながら2013年には16年ぶりとなる5枚目をリリースするなど、今も健在ぶりをアピールしています。

  • 『Mobile Safari〔1995〕』
  • 『Illumination〔1997〕』

選ぶのは、4枚目の『Illumination』です。

かつてのアルバムは本当にヘタウマといえる感じが味だったのですが、このアルバムはもう少しサウンドが洗練され、浮遊感ただよう楽曲やフリーキーなサウンドなど、より深みが増した感じとなっています。

けだるい男女ヴォーカルがクセになります。

また、このアルバムのリミックスアルバム『Illuminati』がさらに傑作で、マイブラコーネリアスをはじめとして、キッドロコ、ジョン・マッケンタイアジム・オルークなど錚々たる顔ぶれが名を連ねています。

原曲のよさが際立つリミックスを楽しめます。

 

097:Voodoo Lounge / ザ・ローリング・ストーンズ


続いては、ビートルズと並ぶロック・レジェンド、ザ・ローリング・ストーンズThe Rolling Stones)の『Voodoo Lounge』です。

  • 『Voodoo Lounge〔1994〕』
  • 『Bridges to Babylon〔1997〕』

ストーンズといえば、各年代において数え切れない名盤がありますし、その時代時代で新しいジャンルを取り入れて、常に新鮮な驚きを与えてくれますが、この90年代の名盤『Voodoo Lounge』もその一枚です。

このアルバムは私的にも東京ドームの日本公演を観に行きましたので、予習のためによく聴いた、特に思い入れの強いアルバムです。

冒頭の「Love Is Strong」のようにブルージーでストレートなロック・サウンドを中心に、当時は50代前半でしたが、信じられないぐらい溌剌とした若々しいエネルギーを放っています。

「New Faces」や「Out of Tears」のような瑞々しいとも言える曲もあれば、逆にキースの歌う枯れたフォーキーな「The Worst」などもあり、バラエティにとんだ味わい深さがあります。

 

098:One Part Lullaby / フォーク・インプロージョン


ダイナソーJr.のオリジナルメンバーのルー・バーロウが、脱退時にジョン・ディヴィスと結成したバンド、フォーク・インプロージョン(The Folk Implosion)。

  • 『Take A Look Inside〔1994〕』
  • 『Dare To Be Surprised〔1997〕』
  • 『One Part Lullaby〔1999〕』

選ぶのは、『One Part Lullaby』です。

牧歌的でフォーキーなサウンドエレクトロニカでフリーキーなサウンドのごった煮といった感じで、ローファイ感満載のアルバムです。

グランジテイストからポップで甘い感じまで歌いこなすヴォーカルの力量としても相当なセンスの良さを感じます。

ダイナソーJr.とはテイストがまったく異なり、どちらかといえばベックあたりを思わせる、ちょっとダークな曲もあればポップな曲、インストもありと、捨て曲一切なしの聴いていて飽きのこない名盤だと思います。 

 

099:Never Mind / ニルヴァーナ


いよいよラスト2枚は、伝説となったこの2組。

まずはたった3枚のアルバムを残して伝説となった、カート・コバーンを中心としたアメリカのロックバンド、ニルヴァーナNirvana)。

  • Nevermind〔1991〕』
  • 『In Utero〔1993〕』

そして、ご紹介するのは、もはや説明不要ですがグランジというジャンルにとどまらず、ロック史に名を残す『Nevermind』です。

全世界で4,000万枚以上(現在はもっとでしょうか)のセールスを記録しているモンスターアルバムで、オルタナティブ・ロックをメイン・ストリームに押し上げたこのアルバムの功績は計り知れません。

このアルバムから現フー・ファイターズデイヴ・グロールをドラマーに据え、ドラミングはもちろん、コーラスワークでも貢献しています。

Smells Like Teen Spirit」や「Breed」のような激しい曲のかっこよさはもちろん、「Come As You Are」や「Lithium」のようなミディアムテンポの曲でもじっくり聴かせられるのが彼らの魅力です。

意外にメロディアスな曲もあったりしてヒット曲が多数収録されており、バランスのとれたこのアルバムは、90年代の名盤として避けて通れません。

 

100:Grace / ジェフ・バックリィ


そしてラストを飾るのは、オリジナルアルバムとしてはたった1枚を残して90年代にこの世を去ったもう一人のカリスマ、ジェフ・バックリィJeff Buckley)です。

  • Grace〔1994〕』

天使の歌声とも称されるその儚さを感じさせる美しい歌声と、エモーショナルなギターテクニックは絶品。

激しくも情感たっぷりに歌い上げる「Grace」や「So Real」、「Lover, You Should've Come Over」のような曲は気持ちを揺さぶられますし、特にレナード・コーエンのカヴァー曲「Hallelujah」は本家を超えてしまうほど、彼の代表曲となりました。

ティム・バックリィを父に持つものの、死ぬまでにあったのは幼少の頃の一度だけということで直接的な影響はないものの、この才能は、やはり遺伝子のなせるわざでしょうか。

亡くなった時、セカンド・アルバムの製作中だったということもあり、本当に残念でなりません。死後に未発表曲・ライブ音源などが多数発表されましたが、そちらもぜひ聴いてみてください。

 

最後まで、お読みいただきありがとうございました。

 

 

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