映画を観たら、きっと欲しくなる。サントラ 私的名盤10選

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映画を観ていて音楽が印象的な場合は、ついついサントラ(サウンドトラック)も気になります。

映画のためのオリジナルスコアしかり、映画のために寄せ集められた楽曲群もしかり、そのセンスは映画の出来不出来にも直結していると個人的に思います。

そこで、お気に入りの私的サントラの名盤と思うものをご紹介していきます。 

(このブログは以前書いたものを編集してまとめたものです)

  

#001:パリ、テキサス / 監督:ヴィム・ヴェンダース

 

STORY

カンヌ映画祭グランプリも受賞した名作なので、自分がご紹介するまでもありませんが、妻子を捨てて失踪した男が、息子と再会し、一緒に妻に会いに行くという、1984年に制作された再会と別れを描いたロード・ムーヴィーです。

パリ、テキサスの「パリ」とはアメリテキサス州にあるパリスという都市です。

余談ですが、その何もない景色に惹かれ、旅行しに行ったのもこの映画に対する思い入れの強い理由の一つでもあります。

妻のジェーン役を演じたナスターシャ・キンスキーさんが本当に美しく、その当時、個人的にはナンバー1に好きな女優でした。

ものすごく、どうでもいいですね、すみません。

「ちなみに& Premium特別編集」映画特集のムックの表紙もこの映画の彼女でした。

男性にも女性にも時を超えて人気だったことが伺えます。

SOUNDTRACK

何といってもライ・クーダーのスライドギターの音色です。

この音を聴くだけで、テキサスの砂漠が目に浮かびます。

逆にこの音がなければ、この映画がこれほど魅力的にならなったんじゃないかというぐらい映画にハマっています。

音楽の影響って本当に大きいと思います。

さらに映画内から引用したクライマックスシーンのセリフも収められており、いつ聞いても映画さながらの緊張感が伝わってきます。

 

#002:ONCE ダブリンの街角で / 監督:ジョン・カーニー 

STORY

2007年に公開されたアイルランドの音楽映画(ミュージカルというとちょっと語弊がある気がします)です。

ダブリンでストリート・ミュージシャンをしている男と彼の音楽に惹かれたチェコ移民の花売りの女との出会い。

彼女自身も定期的に楽器店でピアノを借りて演奏し、意気投合し一緒に演奏をはじめ、アルバムを作る夢を目指します。

お互い惹かれあいながらもいろいろ事情を抱える切ないラブ・ストーリーでもありながら、まるでデモCD製作を追ったドキュメンタリーのようでもあり。

 二人は実際、映画撮影以前からザ・スウェル・シーズンとして音楽活動もしており、息もぴったり。

作中でももちろん自分たちで自作自演しています。

主役のグレン・ハンザードはThe Framesというバンドも率いていて、監督もそのメンバーです。

低予算で製作され全米2館からスタートし、口コミで話題となり140館まで劇場を増やして好評を博した映画です。

SOUNDTRACK

このサウンドトラックはやはり映画を観てこそとしかいいようがないのですが、劇中で歌われている映画のためのオリジナルソングがとにかく名曲の数々です。

グレン・ハンザードの荒々しいエモーショナルな歌声とマルケタ・イルグロヴァとのハモりなど本当に心を揺さぶられます。

ちなみに「フォーリング・スローリー」は第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞し、サウンドトラックはグラミー賞にノミネートもされました。

ちなみにザ・スウェル・シーズンのオリジナルアルバムもありますが、こちらもすごくいいので、必聴です。

 

#003:君が生きた証 / 監督:ウィリアム・H・メイシー 

STORY

2014年(日本では2015年公開)のアメリカ映画で、銃乱射事件で亡くなった息子が残したデモ音源の曲と歌詞ノートを父親である主人公が演奏し、後にバンドを結成するお話です。

いろいろ話すと差し支えるので、このぐらいにしておきます。

自分は何も知らずに観てよかったと本当に思いました。

ぜひ、心に響く考えさせられる、せつなくもいい映画ですので、お父さんには特にオススメします。

監督は、コーエン兄弟監督の「ファーゴ」やポール・トーマス・アンダーソン監督の「マグノリア」など、有名な作品にちょいちょい出演していて、コメディから社会派サスペンスまでくせのある個性的な役柄をこなす名脇役ウィリアム・H・メイシーです。

顔を見れば、あぁ、この人かとだいたいピンとくると思いますが、その人の監督初作品です。

SOUNDTRACK

このサウンドトラックも前回の「ONCE ダブリンの街角で」と同様に、映画を観てこそグッとくる度合いが違いますので、ぜひ観てから聴いていただければと思います。

(逆に観ていないと良さが伝わらないかも)

楽曲はコンペで選ばれたインディーズ系ミュージシャンのサイモン・ステッドマンとチャールトン・ペタスのコンビ、ソリッドステートが担当しているそうです。

(「Over Your Shoulder」のみフィンクの楽曲とのこと)

主人公のサムは映画『あの頃ペニー・レインと』でギタリストを演じていたビリー・クラダップ

ギターはアントン・イェルチェン、そして劇中のバンドのベーシストは、なんとあのベン・クウェラーです。

サントラにもセレーナ・ゴメスとデュエットしている曲が収録されています。

劇中でライブを見て観客が盛り上がるシーンなどもあるのですが、荒削りのサウンドビリー・クラダップの憂いのある歌声で、それも納得できるいい楽曲が目白押しです。

映画のラストシーンで弾き語りで歌う曲「Sing Along」は本当に心を締め付けられるようなすばらしい曲で、必聴です。

 

#004:ハイ・フィデリティ / 監督:スティーヴン・フリアーズ 

STORY

シカゴの中古レコード店の店長(ジョン・キューザック)が彼女にフラれた理由を探るために過去につきあった女性たちを訪ね歩くという、なんともな話。

ニック・ホーンビー原作の小説を2000年に映画化したこの作品。

原作はロンドンが舞台でしたが、映画ではアメリカのシカゴに変更されています。

レコード店における音楽に関する会話ややりとりがいちいちおかしく、特に店員役のジャック・ブラックの怪演は最高です。

主人公の女々しく情けない、自分大好きなところは憎めなく、世の男性が多かれ少なかれ、共感を抱くのではないでしょうか。

個人的にはあまりに面白すぎて、劇場に2回観にいってしまいました。

SOUNDTRACK

この映画はロックオタクを主人公とした映画だけあって、選曲が知る人ぞ知るというような感じで、かなりマニアックです。

もちろん、スティービーワンダーやボブ・ディランなど有名どころも抑えられていますが、1曲目のザ・サーティーンス・フロアー・エレヴェイターズからはじまり、ラストのスティーヴィー・ワンダーまで、公開当時にはやっていたバンドを含め、新旧のバランスもよく、まるでカセットテープで曲順をあーでもない、こーでもないと吟味したかのような流れのいいセレクトとなっています。

なかでも劇中ジャック・ブラックが意表をついて熱唱するマーヴィン・ゲイの名曲「レッツ・ゲット・イット・オン」は一つのハイライトでしょう。

ジョン・キューザック自身が主演のみならず、製作、脚本、音楽監修まで行ったということですから、劇中通り、彼のこだわりがつまったものとなっていると思います。

 

#005:ロック・オブ・エイジズ / 監督:アダム・シャンクマン 

STORY

ライブハウスで働きながら歌手を目指す青年と少女。

一方、あこがれのロックバンド「アーセナル」で活躍するステイシー・ジャックス(トム・クルーズ)は富や女におぼれた生活を送っていた。

青年と少女の夢は叶うのか。

1980年代を代表するロックナンバーを中心に構成された人気ミュージカルを、「ヘアスプレー」のアダム・シャンクマン監督が2012年に映画化したもの。

SOUNDTRACK

このサントラは名盤というより、ある意味迷盤といえるかもしれません(もちろん自分にとっては大名盤ですが)。

なぜなら、なんとあのトムクルーズがガンズ・アンド・ローゼスの名曲「Paradise City」やデフ・レパードの「Pour Some Sugar On Me」など数曲歌っているのです!

本当に本人が歌ってるのか?ってぐらい、いい声で歌ってます

ミュージカルというだけあって、サントラはすべて劇中のキャスト、ジュリアン・ハフとディエゴ・ボニータがほとんど歌っていますが、一部Mary J.Bligeなども参加しています。

産業ロックといわれた80年代の曲がほとんどですが、これでもかとこれでもかというぐらい本当に名曲ぞろい。

(昔こういうのが好きだったという人はだいたい友達になれる気がします)

個人的には、More Than Words(エクストリーム)からHeaven(ウォレント)へのメドレーなんかは特にぐっときますね。

 

#006:ロスト・イン・トランスレーション / 監督:ソフィア・コッポラ 

 

STORY

仕事のために来日したハリウッド・スター、ボブ(ビル・マーレイ)と、有名カメラマンの妻として来日したシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)。

偶然同じホテルに滞在していて意気投合し、東京の街でお互い心をかよわせる淡い出会いと別れの物語。

2003年(日本公開は2004年)にソフィア・コッポラによって制作されたこの映画、超がつくほど名作ですね。

その当時の日本を巻き込んで制作されていて、あのマシュー南藤井隆)も番組そのままで登場しています(若い人は知らないですよね、きっと)。

この頃のスカーレット・ヨハンソンはほんとに無敵のかわいさ&きれいさを誇っていましたね。魅了されました。

もちろん、今もお美しいですが。

SOUNDTRACK

そんなセンスの塊、ソフィア・コッポラの映画ですので、サントラも無敵です。

とにかくこちらのサントラ曲はほぼ映画のシーンで用いられている曲ですので、聴くだけで映画のシーンが蘇ります。

あたかもこの映画のために書き起こされたのではないかというぐらい各曲がハマっているのです。

特に、ジザメリマイブラスクエアプッシャー、さらにはフェニックス(ちなみにフェニックスのヴォーカルは当時は恋人でしたが、現在旦那さんです)。

そして、なんといってもその当時、10年も沈黙を続けていたあのマイ・ブラッディ・ヴァレンタインケヴィン・シールズが、この映画のために新たに楽曲を書き下ろしたという、まさに事件のようなできごともあり、本当に驚かされました。

そして、さらに日本が誇る、はっぴいえんどの名曲「風をあつめて」も使われています。

ちなみにこの曲をサウンド・プロデューサーのブライアン・レイツェルさんに紹介したのが、コーネリアスこと小山田圭吾さんだったということです。

さすがのチョイスです。

 

#007:欲望(Blow-up)/ 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ 

STORY

ファッション・カメラマンが公園で中年の男と若い女カップルを盗撮し、それに気づいた女からネガを渡すように懇願され、その後駆け引きを楽しんだあと、フィルムを現像し、写真を引き伸ば(Blow-up)してみると、なんと!というストーリーです。

65年の映画ですが、観た当時(といっても、もちろん後追いでですが)、なんだかよくわからなかったというのが、正直なところでした。

ただ、スウィンギング・ロンドンなオシャレ感は十分に感じられましたし、なんだかその当時は、そういうものに憧れ、かぶれていたのを懐かしく思います。

なんといっても、ヤードバーズの演奏シーンが最高です。

当時レッド・ツェッペリンにもハマっていましたので、若き日のジミー・ペイジジェフ・ベックが演奏するシーンはちょっと嬉しかったですね。

ちなみにジェフ・ベックがギターを破壊するシーンがありますが、破壊といえばザ・フーピート・タウンゼントで、元々は彼に頼んだが断られたとのことでした。

SOUNDTRACK

若き日のハービー・ハンコックが全編手がけたサウンドトラック。

ハービー・ハンコックといえば、ジャズ・ピアニストですが、ジャズにとどまらず、ブルージーな曲も手がけています。

1曲1曲がとてもコンパクトですが、グルーヴ感のある楽曲はかっこいいの一言。

DEEE-LITEの「Groove Is In The Heart」の元ネタとしてや、ジェイムス・テイラー・カルテットもカヴァーしたりと何かと影響力のあったサントラです。

 

#008:ノッティングヒルの恋人 / 監督:ロジャー・ミッシェル 

STORY

バツイチで旅行書専門の書店店主の主人公と、ハリウッドスターの女優とのちょっとしたトラブルがきっかけではじまるラブストーリー。

普通ではまじわることのない二人が恋に落ちる、現代版「ローマの休日」ともいわれる、言わずと知れたラブコメの傑作。

1999年公開と今となってはだいぶ古い作品となってしまいましたが、私的にはラブコメが大好きで、その中でも1,2を争うほど好きな作品です。

こういう役にはかかせないヒュー・グラントと当時絶頂のジュリア・ロバーツとまさにハマり役。

そして、ただの恋愛模様だけでなく、リス・エヴァンス演じる主人公の同居人スパイクの奇人ぶりが映画にかなりのスパイスとなっていて、笑わせてくれます。

SOUNDTRACK

シャルル・アズナブールの名曲をエルヴィス・コステロがカヴァーした主題歌「She」をはじめとして、ポップソングから、ソウル、ロックのラブバラードが目白押し。

劇中でもポイントとなる使われ方をしているアル・グリーンの「傷心の日々」や、パルプの「Born to Cry」(日本盤ボーナストラック)などグッときます。

そんなラブソングのなかで異彩を放つスペンサー・デイヴィス・グループのロックチューン「ギミー・サム・ラヴィン」がアクセントとなっていて、かっこいいことこの上なし。

 

#009:アリー スター誕生 / 監督:ブラッドリー・クーパー 

STORY

昼はレストランで働き、夜はドラッグバーでステージに立って歌手になることを夢見るアリー。

たまたまそのバーに立ち寄り、彼女の歌を聴いた国民的人気のカントリーロック・ミュージシャン、ジャクソン・メインが彼女の歌声と曲に惚れ込み、自分のライブに彼女を招きます。

彼女の作った曲「Shallow」を一緒に歌い、それをきっかけにアリーとジャクソンの人生が大きく変わっていくというストーリー。

映画の出来不出来は観た方の感想にゆだねるとしまして、私的にはブラッドリー・クーパーが自ら演奏し歌う曲は単純にカッコよかったですし、レディー・ガガの歌唱力もさすがというしかない歌いっぷりで、演奏シーンに関してはとても満足しました。

この映画は1937年に公開された『スタア誕生』の4度目のリメイク映画なので、ストーリーに関してはだいたい想像がつく方もいるかと思います。

もともとはビヨンセを主演としてクリント・イーストウッドに監督を打診していたということですが、ビヨンセの妊娠などにより、交渉が流れたということでした。

イーストウッドは女性主人公役としてエスペランサ・スポルディングを構想していたとの話もあります。

その後、ディカプリオ、ウィル・スミス、クリスチャン・ベールトム・クルーズと数々の大物との出演交渉があったようですがまとまらず、ブラッドリー・クーパーの初監督・出演とレディー・ガガの主役ということで落ち着いたようです。

なんだか本編よりも濃密なドラマを感じてしまいます。

ちなみにブラッドリー・クーパー出世作といえば『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』。

なんだか酒で失敗する映画に縁がありますね。

私的にはイーストウッド版で観てみたかったですね

ただ、もしビヨンセだったとしたら間違いはなかったと思いますが『ドリームガール』に近い感じになってしまうような気もしますので、レディー・ガガでよかったとは思いますが。

SOUNDTRACK

劇中で歌われる数々の曲があますところなく収録されていて、映画で感動的だった バラードの数々はもちろんのこと、レディー・ガガの自伝的な要素も多少ある作品なので、レディーガガ本人の曲を思わせるダンス・チューンまで楽しめます。

「Shallow」、「Always Remember Us This Way」は特に名曲だと思います。

もちろんブラッドリー・クーパーが歌う骨太なオルタナ・カントリー調のロックな曲も必聴です。

 

#010:はじまりのうた BEGIN AGAIN / 監督:ジョン・カーニー 

STORY

ライブハウスで引き語りで歌うグレタ(キーラ・ナイトレイ)をたまたま見かけた音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)は彼女の才能に目をつける。

彼はここ数年間プロデュースできずに、もともと彼が立ち上げたレーベルをクビになった直後のことだった。

そして、彼女もまた売れっ子ミュージシャンの元彼デイブ(アダム・レヴィーン)に裏切られた直後だった。

スタジオを借りるお金がない彼らは、路地裏、ビルの屋上、地下鉄のホームとニューヨークの街角でレコーディングを開始する。

監督は『ONCE ダブリンの街角で』でも紹介したジョン・カーニー。

他にも『シング・ストリート 未来へのうた』など音楽を題材にした映画を得意とするアイルランドのロック・バンド「ザ・フレイムス」のベーシスト。

また、主演のマーク・ラファロは、アベンジャーズシリーズのハルク役でもおなじみですね。

SOUNDTRACK

マルーン5アダム・レヴィーンが歌う「ロスト・スターズ」。

この1曲で、このサントラの元がとれてしまうほどの大名曲ですが、本編ラストで歌われるライブ・シーンはまさに鳥肌モノ。

さらにアップテンポにアレンジされたイントゥ・ザ・ナイトMixとキーラ・ナイトレイが歌うバージョンも収録。

(劇中ではグレタが作曲したという設定)

アダム・レヴィーンの歌っている曲はどれも素晴らしいので、マルーン5もこんな感じに戻ってほしいと思うのですが。

 ダンの娘バイオレット(ヘイリー・スタインフェルド)がレコーディングに参加し、下手なギターながらエモーショナルにギターソロを奏でて、皆が賞賛したシーンが印象的でしたが、その「テル・ミー・イフ・ユー・ワナ・ゴー・ホーム」もオリジナルに加え、劇中バージョンも収録されていて、そのシーンを思い出させてくれます。

キーラ・ナイトレイの歌をうまいととるかどうかは人それぞれですが、キュートな歌声で曲がヴァラエティに富んでいて好感が持てます。

 欲をいえば、劇中ダンとグレタがお互いの好きなプレイリストを一緒に聴くシーンがありますが、そこで流れるスティービー・ワンダーの「For Once In My Life」、フランク・シナトラの「Luck Be A Lady」、映画「カサブランカ」でドーリー・ウィルソンが歌う「As Time Goes By」が収録されていてほしかったなと思い、個人的には残念でした。

 

いかがでしたでしょうか。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

映画をご覧になって、ぜひサントラをチェックしてみてください。

 

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