【本屋大賞】実は2位が、名作揃いですごいんじゃないか説

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皆さん、各年の本屋大賞の第2位の作品は、パッと思い浮かぶでしょうか?

M1グランプリで、圧倒的な実力で優勝しても、実は今売れているのは2位、3位だったコンビみたいなことってありますよね。

本屋大賞もそれに似たケースがあり、大賞作品はもちろん素晴らしい作品なんだけど、あまりに売れすぎてその年で、消費されすぎてしまう感があると思います。

そこへ行くと、第2位の作品は、大賞と言われてもおかしくない傑作ぞろいで、大賞作品と同様、映画化やドラマ化されるなど、今も名作として読み継がれている作品がずらりと並んでいます。

2位じゃ、ダメですか?

まったくダメじゃありません。むしろ2位で良かったかも。皆さん、ぜひチェックしてみてください。

 

 

2020年第2位 『ライオンのおやつ』小川 糸

ホスピスで余命を告げられた主人公がホスピスで人生をまっとうするというお話で、感動すること間違いなし。

入居所には人生でもう一度食べたいおやつを選び、それをみんなで食べるという「おやつの時間」というのがあります。主人公が選んだ「最後に食べたいおやつ」とは?

過去や現状を嘆くのではなく、今を生きることの大切さを教えてくれる、そんな一冊だと思います。

この年の大賞は、凪良 ゆうさんの『流浪の月』です

 

2019年第2位 『ひと』小野寺 史宣

2008年、『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞した著者の、青春小説の傑作。

両親を亡くし、たった一人となって大学を中退した主人公。

全財産は百五十万円。

空腹で商店街の惣菜屋で最後のひとつのコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことで運命が変わっていくという物語。

この年の大賞は、瀬尾 まいこさんの『そして、バトンは渡された』です

 

2018年第2位 『盤上の向日葵』柚月 裕子

将棋界を舞台にした『砂の器』とも評される本作。

千葉雄大さん主演でドラマ化もされていますね。

遺留品の名駒を手掛かりに白骨死体事件の真相を追う2人の刑事の捜査と、奨励会を経ずに実業界からプロ棋士となった青年の数奇な半生が並行して描かれていきます。

この年の大賞は、辻村 深月さんの『かかみの孤城』です。

 

2017年第2位 みかづき』森 絵都

こちらもドラマ化もされた、ものすごい傑作ですね。

親子三世代に渡る昭和30年代から現代までの教育を題材としつつ、その家族の悲喜が丁寧に綴られています。

映像も目に浮かぶ描写力とタイトルに込められたストーリー展開のうまさに、途中何度か込み上げるものを感じ、終わらせ方も見事というしかありません。

過去や現状を嘆くのではなく、今を生きることの大切さを教えてくれる、そんな一冊だと思います。

この年の大賞は、恩田 陸さんの『蜜蜂と遠雷』です

 

2016年第2位 『君の膵臓をたべたい』住野 よる

コロナ禍を経験している今こそ、本作はぜひ読んでいただきたい。

社会現象にもなった「キミスイ」。

映画からアニメまで様々に展開されるのも納得の内容。

インパクトのあるタイトルの理由をぜひ読んで確かめてください。

この年の大賞は、宮下 奈都さんの羊と鋼の森』です

 

2015年第2位 サラバ!』西 加奈子

直木賞を受賞した本作。

イラン・テヘラン市生まれの大阪育ちの著者の体験を下敷きに、主人公を男の子に置き換え、イラン、エジプト、大阪を舞台に描かれた壮大な物語。

この年の大賞は、上橋 菜穂子さんの『鹿の王』です

 

2014年第2位 『昨夜のカレー、明日のパン』木皿 泉

ドラマ『すいか』や『野ブタ。をプロデュース』の脚本で知られる木皿泉さん初の小説です。

ちなみに「木皿泉」とは夫婦によるペンネーム。

亡くなった夫のギフ(義父)とともに暮らす、主人公とその現在の彼氏3人の微笑ましくも、しみじみとした関係を描いています。

各章で時間軸がいったりきたりして、ギフの奥さんや亡くなった旦那さんなどの視点から描くお話もあり、構成の妙にうならされます。

この年の大賞は、和田 竜さんの『村上海賊の娘』です

 

2013年第2位 『64(ロクヨン)』横山 秀夫

横山秀夫さんの傑作短編『陰の季節』、『動機』、『顔』。これらはD県警シリーズと呼ばれています。

そのD県警シリーズで初の長編が本作です。

昭和64年にD県警館内で誘拐事件、通称「ロクヨン」。

解決できずに時効間近にせまり、事件をめぐって警察内部で問題が起こっていきます。

こちらも映画化された重厚な物語です。

この年の大賞は、百田 尚樹さんの『海賊とよばれた男』です

 

2012年第2位 『ジェノサイド』高野 和明

まるでハリウッド映画かと思わせるようなスケールの大きいストーリーの本作。

まったく無関係だったイラクで戦うアメリカ人傭兵と、日本で薬学を専攻する大学院生の運命が交錯し、人類絶滅の危機に直面する衝撃的なストーリーが描かれています。

この年の大賞は、三浦 しをんさんの『船を編む』です

 

2011年第2位 ふがいない僕は空を見た』窪 美澄

この作品はR‐18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞し、映画化もされています。

高校生と主婦の恋愛を描いていて、主婦、高校生、その母親それぞれが抱える苦悩による生きる痛みと喜びを描いた作品です。

この年の大賞は、東川 篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』です

 

2010年第2位 神様のカルテ』夏川 草介

著者自身が医師であり作家でもある夏川さん。

本作は櫻井翔さんと宮崎あおいさんが夫婦役を演じて映画化もされています。

信州松本にある本庄病院に勤務する内科医の主人公が、大学病院の医局からからの誘いに揺れ動きながらも、癌患者に向き合い、その答えを見出していきます。

この年の大賞は、冲方 丁さんの『天地明察』です

 

2009年第2位 のぼうの城』和田 竜

野村萬斎さん主演で映画化もされ、一躍和田竜さんの名前を知らしめた歴史エンタメ小説の傑作。

天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城、それが武州忍城(現在の埼玉県行田市ですね)。

三成率いる2万超の軍勢に、のぼう(でくのぼう)と呼ばれた領主・成田長親が農民を含めた3千強で迎え撃つ。

この年の大賞は、湊 かなえさんの『告白』です

 

2008年第2位 サクリファイス』近藤 史恵

予備知識なしで画像とタイトルだけ見ると感動の青春ストーリーかと思いきや、実はまさかのミステリー。

テーマがプロの自転車ロードレースで、国内のツール・ド・ジャポンを舞台にした物語。

まったく自転車の世界を知らなくてもだいぶ理解できて、最後は大どんでん返しを楽しめる極上のミステリー小説です。

この年の大賞は、伊坂 幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』です

 

2007年第2位 夜は短し歩けよ乙女』森見 登美彦

独特の言葉遣いや世界観で絶大な人気を誇る森見さんの代表作のひとつ。

行動的な「黒髪の乙女」と彼女に恋する「先輩」が、夜の町や古本市、学園祭などでさまざまな騒動を巻き起こしていくストーリー。

最後の章は、ある種コロナ禍を思わせたりするかも。

この年の大賞は、佐藤 多佳子さんの『一瞬の風になれ』です

 

2006年第2位 『サウスバウンド』奥田 英朗

奥田英朗さんの作品の中では個人的には『最悪』と『邪魔』が特に好きですが、本作も映画化されたお気に入りの一冊。

むちゃくちゃな父が沖縄に移住すると言い出し、それに振り回される家族の物語です。

この年の大賞は、リリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』です

 

2005年第2位 明日の記憶』萩原 浩

渡辺謙さん主演で映画化もされた感動長編。

広告代理店で部長を務める主人公が50歳にして、若年性アルツハイマーを発症するお話で、目前に娘の結婚をひかえ、徐々に記憶を失う絶望感と家族の苦しみ。

他人事とは思えず、身につまされます。

この年の大賞は、恩田 陸さんの『夜のピクニック』です

 

2004年第2位 クライマーズ・ハイ』横山 秀夫

横山秀夫さんの代表作の一つで、映画化もされた傑作ですね。

1985年に日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落した事件のお話です。

著者自身が若き日に、新聞記者として現場を取材している実体験を元に作られた作品なので、臨場感や緊迫感が手にとるように伝わってきます。

この年の大賞は、小川 洋子さんの『博士の愛した数式』です

 

いかがでしたでしょうか?

2位に注目してみると、本屋大賞の新たな魅力を発見できると思います。

ぜひ、読み逃している作品がありましたら、読んでみてください。

 

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